Vol.1 2007.7~2007.9

2007.9.29(土)

11月にイタリアで、デスモセディッチの講習会が開かれます。TIOは私とメカニックの中崎の2人で申し込んだんだけど、1店舗1人だそうで、1人に絞られるみたい。バラす機会が少ないので、中身をじっくり見に行きたいんだけど、TIOは少人数でやっているから2人同時に抜けるとまずいかも。どうしようかなってところです。
52才の新人君はよくやってくれます。2輪整備経験者なので、仕事を覚えるのは早いです。しかもパソコンおたくで助かってます。
 

2007.9.27(木)

テレビで年収200万円以下が増えて、1000万円以上も増えてと、格差の問題を取り上げていました。社会人は人を使う人、使われる人、どちらも出来ない人、この3つの分類に分かれると私は思っています。自分が望んだ仕事に就くのが難しい場合もあるけど、自分の好きな仕事が見つけられて、それで飯が食えれば最高です。特にバイク屋は割合好きでやってる人が多いから業者同士でもすんなり仲良くなれます。ただ食えるかと言うとこれからは難しい。でも好きならどんな仕事も頑張ってみて下さい。何も残せないかもしれないけど、自分がしっかり生きた証は、本人だけの大切な財産だから。

  

2007.9.24(祝)

このところ一筋縄ではいかない仕事が多く、久々に頭抱えてます。でも必ず直してみせます!!

今製作中のベベルは、キャスター角を少し立てて、F、17、R18にします。少し前荷重と、リアはノーマルよりアンチスクアットを付けて走りに軽快な感じを狙ってみようと思っています。ポイントはバネ下の重量なので、マグホイールを使用するつもりです。スポーツクラッシックのホイールは重いので軽くすれば走りは変わります(サスもリセッティングは必要です)。

 

2007.9.22(土)

まだ暑いです! 今はエンジンのオーバーホールに追われています。モンジュイやベベルや、基礎的な部分をしっかりやらないといけない物ばかりです。機械式の時計を組み立てるようなものかも知れません。最初にエンジンをかけ、望んだ音がした時は嬉しいものです。最近は、パワーアップは少なくしてノーマルをベストにして欲しいと言う要求が多くなりました。重量合せや、クランクのダイナミックバランス、WPC加工、ラッピングなどノーマルでもこんなに良いフィーリングになるのかとオーナーは満足してくれています。特にバランス取りは重要です。
他にも手がけている新製品も数多くあるのですが、皆さんに紹介できる良い方法を、今考えているところです。

 

2007.9.18(火)

ベベルでダーマベースの750Sをもう1台製作しています。フレーム、キャスタ角、エンジン(フルO.H.)他、スペシャルな1台です。キックはどうも苦手という方や、私のように短足な方にはぴったりの1台です。楽しく毎日の足にも使える1台を目指しました。詳しくはショールームへお問い合せ下さい。

 

2007.9.17(祝)

最近、モンジュイを仕入れることが出来ました。これからレストアに入りますが、詳しい内容等はお問い合せ下さい。レストア前なので、色々なご要望にお応え出来ます(16インチのタイヤ等)。数少ない名車です。探しておられる方はまずご連絡下さい。

 

2007.9.10(月)

ティオを始めてずいぶん月日が経とうとしています。バイクもお客様もだいぶ変わって来ました。昔のお客様はおうような方が多く、良い意味でも悪い意味でも、いい加減でした。お客様の信頼関係も数字や規約より「よくやっといてね」だけで、見積りも納期も支払期限も、外したパーツの管理も、何もきちんとしていませんでした。それでも成り立っていたのは、お互いに信頼していたことにあるのでしょう。私も整備中に直さなければいけない所が出た時は、連絡もせずにまたこうした方が良いと思ったことは了解なく進めて、後請求でした。さすがに最近はこんなことはなくなって、全てが相談、見積り、修理報告、納車、請求書、支払と、流れに沿っていますが、それでも事前説明の不足やミスは完全にはなくなりません。特にニュアンスの違いや、フィーリングの違いのような感覚的なものは判りにくいです。お客様が一番変わったと思うことは、自己管理、自己責任のとらえ方です。どこかに走りに行って転倒して、周りに誰もいない状況もいつかあるかもしれません。また乗車前点検をせず、タイヤのAIRが不足していて、パンクするかもしれません。このような時にどう対処するのかなど、リスクを考えることも必要ですが、最近はこのテーマがおろそかになっています。ティオのクラブの会長が事故に遭い、今車椅子の生活を余儀なくされています。でも彼はこのことを自分の人生の中に、起こるべく起こったことだ、運命だと受け入れて、リハビリに精を出し、決して他のせいにはしません。このような男の中の男が私を支えてくれています。
またティオのことを本当に考えて、真剣に忠告や意見を言って下さる方もいます。仕事冥利というのは仕事の内容より、実はそのことを通して知り合えた人達とどう関わったかではないでしょうか。自分を変えるのは難しいし大変です。人の話に心静かに耳を傾けること、これがしんどいと感じたら、自分本位になりかけている証拠です。自分のことを愛してくれるかけがえのない人達を失う前に。気づかずにいて、失った後では遅いのです。

 

2007.9.9(土)

暑い日でした。今月に入ってベベル1基、モンチュイ1基、8881基、916SP1基のエンジンのフルオーバーホールが入って、段取りに追われています。TIOのオーバーホールは、交換が必要なパーツとまだ使えるパーツ(この選別は難しい!!)大丈夫なパーツとに選別することから始まります。ヘッドでは特にバルブ(本来は全て新品にしたいパーツです)とガイドは要チェックです。バルブシートは馴染んでいるので、カットだけで使用した方が良いと考えています。ベアリング、ステムシール、などは必ず変えます。1番考えてしまうのはコッターピンです。ハーフリングとも呼ばれるもので、新品はバリもあり、叩かれて沈み込む分を(1/100~2/100位、但し沈み込まない時もある)計算に入れて組まなければなりません。一方使用したハーフリングは、片面はつぶれてシムにも納まりが良く、沈み込み分は少しです。メーカーはOHの時は必ず交換と言っていますが、どちらを使う方がベターか悩むところです。最近のバイクはメーカーの指定したクリアランスで組んでいます。昔のモデルと言っても、916、996、748Rまでは、独自の値で組んでいます。その違いはエンジンの内部パーツ変化です。この辺りがヘッドの注意点ですが、やはりデスモは面白く、私の興味は尽きません。

 

2007.9.7(金)

私の知り合いに物販にかけては凄い営業力のある人間がいます。彼は、鍋・釜・車・バイク、何でも売ります。その秘訣は、自分がその商品に本当に惚れ込んでいる、愛していると、相手に思い込ませるのだそうで、その為には自分で自分を騙す、つまり自分もこの商材に惚れていると信じることなのだそうです。そうすると相手にその気持ちが伝わって、信者になってくれるとのことでした。セールストークやセールステクニックの中で、来たお客様をその気にさせて契約書に判を押させるにはという項もあります。良し悪しは別にして、それだけ競争が厳しいのが現実です。TIOは完全にそういってレースから棄権しています。(本音を言うと、何台売ったという話を聞くと羨ましい気持ちもちょっぴりあります)

TIOの販売のポリシーは、私達が良いと確信できるバイクを売ると言うことです。それがドカッティの中にもあり、MVだったり。(オーロの750は良いです!!)

最近はトラのスピードトリプルも良いと思いました。TIOで販売出来る、出来ないという縛りはありますが素直に良いと感じたバイクは、お客様にその訳と共に報告しています。この独断と偏見のバイク選びは、多くの人達には受け入れられないことは確かですが、感性を共有できる大人達には、素敵な出会いとアドレナリンバリバリの時が待っていると思っています。乗り方やテクニック、体調や精神状態で毎日通る道でも感じが違います。そんな道でも新しい発見が出来るような、そんなバイクを作り、提供するのが私達のテーマです。

 

2007.9.5(水)

携帯が水没でダメになり、買い換えました。機能が多く使えなくなり困りました。使う側から、自分が機械に使われる側へ‥‥‥。辛いなぁと思っていたら、52歳でもバリバリコンピューター大好き人間もいます。好きこそ何とかでした。

独断と偏見の話のついでに、バイクのパーツをチョイスする時に、機能を優先するか、デザインやルックスに凝るか、どちらを先にするかと言うことはコスト的にかなり差が出ます。同じ所を2度バラすことがないよう、お客様と相談しますが、自分が長くやって来た自負と自信とコストを考えて、自分の意見をゴリ押しすることがありました。(いつかはわかってくれるだろうという甘えと期待も込めてですが)

でも最近は、(かと言っても2,3年前位からですが)お客様の意見を優先しています。何故?自分の年とお客様の平均年齢の違いから、色彩感覚や仕様にズレが出来て来た為です。ちなみに、あるお客様はラグナセカに鍛造ホイールを履きたいとおっしゃって、当初私は反対しました。でも装着してみると、これがカッコ良く質量もラグナの走りにピッタリでした。この出来事は私に強い影響を与えて、それからは今までベストだと思った組み合わせをベター位にして、リクエストに応えることを1番としています。F1用マグのマービック、ローターはブレンボ、キャブetc‥‥、じゃない世界が確実に存在感を増して来ています。

 

2007.9.2(日)

ここ数日、涼しく過ごし易くて、ほっとしています。9月もやることがたまっています。いずれこれをしようとか、いつか着よう、いつか行こうと思っていたことを、この年になると体が動く内にとかになって、可能な時間が少なくなって来た事を実感します。最近は何十年も会っていない外国の友人に会ってみたいと思うようになり、古い手紙から、連絡をしてみようかと思っています。(但し、20才の頃しか知らない、あの可愛いかった娘には合わないほうが良いかもしれません。)

 

2007.9.1(土)

2泊3日で台湾に行って来ました。台湾の友人と仕事の打ち合わせを兼ねて、今回で4度目になります。個人的に街並み、食事、匂い、気質などが合っているので、言葉はわかりませんが心が安らぐ所です。東京があって大阪、福岡、沖縄、その先に台北があるような感じで、それは食べ物によく現れています。特に古い町並みが私をほっとさせてくれる何かがあります。101(台北)やその廻りは近代的な街並みで、東京や横浜と何ら変わりなく、都市は世界中同じようです。そこで働く人々もまた同じような感じで、同じような悩みや、同じようなスピードで動いているのを実感出来ます。やはりその国々の個性は、田舎に行かないとわからない(過去のものが残っていない)のでしょう。

今回連れて行ってくれたレストランは台湾の中華にも変化の兆しが見られるような、薄味で油も少なく、香辛料も少なくて、とても食べ易いものでした。ただメニューに“松坂豚!?”というのがあって、笑えました。日本風(日式と言います)のレストランも多く、吉野家回転寿司、焼肉(これは台湾の人は日本料理だと思っているらしい)、などがありますが、台湾の友人曰く、美味しくないと言うより、味が日本と違うとのことでした。イタリアンもありますが、アメリカ風イタリアンが多いようです。日本流のラーメンは台湾の人にはあまり受け入れられないよう(台湾のラーメンは薄味で、麺にこしがない。体には良さそうだけど)です。スープが濃すぎるのでしょう。

今回一番美味しかったのは、サツマイモの葉っぱを茹でて、にんにくを刻んで乗せて、醤油ベースのタレがかけてあり、甘くて良かったです。また、あまり辛い物は食べないようです。

 

2007.8.28(火)

四輪と違って、一輪車や二輪車のような不安定な乗り物は、共に感覚的に体が覚えて乗ることが出来るものです。これらは理論が後からついてくるものです。若い頃に覚えた感覚は年をとっても、また乗り始めるとよみがえってきますし、乗り続けているとそこに予知能力も備わって、安全にドライブ出来るようにもなります。ただ50才過ぎあたりから動体視力や反射神経は衰えてきます。それまではハイパーなバイクも、何とか乗りこなしてきたのですが、さすがに辛くなってきました。そこで自分に合ったバイク、コンパクト、軽量、コントロール性が良いバイク・・・。でも最も大切なことは、五感を研ぎ澄まし、第六感を覚醒してくれて、人間が持っている動物的な本能をよみがえらせてくれながら、いつも自分のコントロール下にあるようなバイク、俗っぽく言うとその気にさせてくれるバイクでした。(なんだかいい女の条件と似ているような・・・)

最近になって少しずつ、私の考えに共感して下さる方も現れて(これはバイク年齢の高齢化ということなのでしょうか?)、個々に合わせたモディファイをしたバイクを製作できるようになりました。絶対性能よりも絶対感性、自分の時計で時を刻むことが出来るマシン作りを、これからも目指して行きます。

 

2007.8.19(日)

これだけ暑いと、バイクに乗るのも熱さとの戦いです。ビッグバイクの熱で町の中を30分も乗ると、フラフラしてきます。熱中症には気を付けて下さい。

最近物忘れがひどくなって来ました。その分突然若い頃のことなどが思い出されて。これが年をとるということなのかなって考えてしまいます。お客様との約束も忘れてしまうことも多々ありで、迷惑かけてます。悪気は無いので許して下さい。

先日、ブータンの仏教の教えで大切なことは、縁起と無我ということだと言っていました。意味は、人はひとりで生きているのではなく、周りに生かされているんだ、そして自分も周りの為に生かされているというような意味だったと思います。

最近は、自分にとって大切なものが全ての価値観の基準になっているような風潮です。でもそれも周りがあっての話です。もう一度自分の周りを見回してみては。きっと自分のことを一生懸命心配してくれている仲間や、親兄弟がいるはずです。

 

2007.8.17(金)

最近、台湾でバイク屋をやっている友人が良く来るようになりました。こちらからも行くし、お互いに尊敬の念を持って、付き合うようにしています。けっこう楽しい連中で、皆に紹介してあげたい位です。

 

2007.8.16(木)

夏は暑いもの、つらいけど汗かきながら仕事が出来ることの楽しさと、充足した気持ちが好きです。日が落ちて少し涼しくなった時分の、爽快な気分は良いものです。ビールも美味しいしね。最近はまた違った意味で、バイクに乗るのが楽しくなって来ました。モンスターS4RS、トラのスピードトリプル、ブルターレ910あたりは、ストリートには最高です。FI、FIIIをロッカータイプにカスタマイズして、エンジンをスリッパーや6速でモディファイしたバイクは体中のアドレナリンが吹き出るようで、その気にさせてくれます。ライダースとのコラボでスーパーベベルを製作しています。但し、現在手に入るパーツという括りがあるから、準スーパー位かな!? 走りは自信があるので、後は始動性や音の問題です。こうやってあれやこれやと考えながら、欲しい型を実現化するのが一番の楽しみになりました。

中華街の近くにスペイン料理屋があります。開店当初は、スペインのものばかりだったのですが、最近はインドの人が働いていて、なんとメニューにはカレーも、イタリアの食品も有りで、日本的に何でも有りなのですが、何か良いんだよね。また反対にスペインのものしか出さない本当の意味の料理屋もあるけど、そこは本当にスペインの味なんだけど、私は日本人で居酒屋チックが好きだからね。こだわりは必要だけど・・・ 

バイクのレストアやモディファイも同じで、こだわるか、こだわらないかでわかれると思います。当時の物がストックで残っているのをみると、本当に美しいと思うし、ベベルなんかきれいだよ。

 

2007.8.15(水)

お盆休みは墓参りと体を休めることでここ数年間過ごしています。毎年考えることは、広島に原爆が落とされて地球上に地獄絵が現実のものとなり、水、水と叫びながら何十万人の罪もない人々が、苦しんで死んで行きました。米軍はその威力を十分認識できたはずです。戦争を早く終わらせる為という理由なら、何故、何故、長崎に2発目を落とす必要があったのか?どんな理由があっても私はそれを受け入れることができません。これから先もずっと・・・。

日本の今の、繁栄の元になっているのは、苦しみながら死んでいった人達や、戦後本当に死に物狂いで頑張って下さった人達に支えられてきたからでしょう。きっとその人達は自分達と同じ思いをさせたくないという気持ちで、私たちを育ててくれたのだと思います。若い頃にはわからなかったその人達の苦労の上に成り立っている現存、私たちが本当に大切にしなければならないものは何か?失ってしまったものは何か?個人個人が歴史の中からそのヒントを探し出してみてはと思います。甘やかされて育ってきた私達に待ち受ける未来は、かなり厳しいものとなるでしょう。子供達はもっと大変かもしれません。

 

2007.7.30(月)

トライアンフにスピードトリプルというバイクがあります。ブルターレに似ているコンセプトを持っているので気になっていました。先日エンジンをOHする機会があり、中身は正直特別なこともなく、カワサキ風のエンジンでした。組み上げて走りました。これが気持ち良くて!!食わず嫌いを後悔する程でした。デザインに好き嫌いはあるにせよ、セッティングの上手さというのか、フィールが良くて、セットアップはイタリア人より上手かもしれません。同時期に乗ったS4RSはまったくイタリアン!! オン・オフしかないようなバイクですが、好きな人にはたまらない猛烈な加速で、もう酔いそうでした。ブルターレはその中間かな!? どの道ネイキッドは160km位しか出せないので、乗って楽しく感じるものを選ぶのが良いでしょう。

今月からライダースクラブで連載が始まりました。最初はベベル2台、F18インチとF17インチノーマルエンジン、ハイチューンエンジンとやります。パーツが手に入らない所は、表面の金属加工をしたり、強度と寿命も高めたいと思っています。

 

2007.7.20(金)

ショールームのリニューアルを進めています。展示車の数を減らして、車の駐車場を作り、ゆったりした雰囲気にしようと考えています。

1098のフルオーバーホールしました。999からの続きのエンジンなので、大きな変化もなく、総体的には何も変わっていないと思えました。オイルジェットのノズルとピストンスカートが、干渉していて少し音が出ていたのですが、少し走れば消えると思います。チンチンと同じ音なら、ならし中には消えると思います。サーキットで走らせている人の話では、速さ的には600ccと良い勝負で、国産の1000ccにはパワーで負けてしまうとのこと。Rが出来るまで待つしかないのかも。Fフォークはやわらかく、何らかのモディファイが必要。リヤサス廻りは、最初は固いのですが、走行後チェックするとほとんど使い切っているとのこと。レバー比が良くないのでしょう。これも1人乗りのRが出るまで待たないと駄目かもしれません。エンジンのフィーリングは749Rの鋭さと滑らかさはなく、かと言って996SPSの感応的な回り方とも違う、ちょうどその中間位です。この辺もR待ちかな? 生まれたばかりなので、これからの成長が楽しみなバイクではあります。それから、ネジレ剛性はストリートOKで、サーキットは?です。走れる人は何らかの対策は必要かもしれません。

 

2007.7.16(月)

私の父親が亡くなったのは、私が25才の時でした。癌でしたが、長年の飲酒とタバコが原因だったのでしょう。私が小学校の低学年の時に、父は勤めていた会社を辞め、それからアルコールに頼るような生活になって行きました。その時はわからなかったのですが、父の会社が他の会社に吸収されることになって、当時人事部長だった父に、社員の何人かの解雇命令が下ったそうで、「それは出来ない、だったら自分が辞める。」と言って、会社を去ったそうです。そのお陰で、以降家族は大変な思いをするようになりました。特に母親の苦労は、大変だったと思います。父の葬儀の時に、元の部下だった人達がお焼香に来てくれて、「お父さんのお陰で会社に残れました。感謝しています。」と言ってくれたのをよく覚えています。ただこの時に私はまだ独身でしたが、自分は家族を持ったら最低限、形だけでも良い父親、夫になろう。もしなれなくてもその役目だけは果たそうと思いました。そして28才の時に結婚し、今年で27年目です。子供たちも成人しました。良い父親かどうかはわかりません。自営業なので、勤め人のような休みもなかったし、あっと言う間に過ぎたような気がします。私が25才の時に父が他界したので、私も長男が25才になるまではと、全く意味もなく思っていました。来年がその25才です。幸い自営業で定年はないのですが、いつまで続けることが出来るのか、先のことはわかりません。メーカーの戦略に翻弄されながら、懸命に小船を漕いでいる私の仲間も大勢います。伝えて行かなければならないことは技術的なことではなく、気持ちだと思います。難しいんだけどね。年がくればわかることと、教えてもらわなければ気付かないこと。他、色々あります。

 

2007.7.12(木)

台風が来ているので、不安定な天気です。
ヘッドのO.H.をしていると、どうしても内燃機屋の世話になります。ボーリングも然りで出来の良し悪しが、その後のバイクの寿命に大きく影響します。ドカッティの場合は特にヘッドのシートのあたり、ガイドのクリアランス・ステムの具合などが重要です。簡単なすり合わせ、シートカットなどは、私も出来ますが、やはり内燃機屋にはかないません。いかに信頼できる所を使っているかが、その後の耐久性に影響を与えます。

 

2007.7.5(木)

毎日の仕事に追われていたら、“あんたパンタ”から、かなりの月日が流れてしまいました。
今回のライダース・クラブ連載は、ライダースの編集長高橋君との話の中で生まれた企画です。今までドカッティと触れていた経験から得た知識や、なるほどと思ったことなど、ベベル、パンタ、デスモセディッチまで触れながら話していこうと思っています。私と私の師匠直江さんとの共同作業です。よろしくお願いします。また、同年代の人が、楽しくライディングできて、常に自分のコントロール下にあり、路面のインフォメーションがライダーの感性を呼び戻してくれるようなバイク作りを目指しています。最新型のバイクの技術からのフィードバックで、より信頼性のある車作りも目標のひとつです。